走り書きのなかの「生きるメッセージ」

『僕はこうして生まれてきた(ぶんしん出版)』が6月9日にこの世に誕生しました。

この本は
広瀬祐子さん(以下、ゆうちん)の
どうしてもカタチにしたいという想いと行動で
約2年をかけて出版に至った
「生きること」のメッセージが込められた
一冊です。

原作者は
ゆうちんの娘さんの早妃子ちゃん(以下、さっこちゃん)です。

ゆうちんがさっこちゃんのお部屋で
1冊のスケッチブックを見つけました。
そこには絵コンテ状態になった
走り書きがあったのです。

その走り書きを整えて完成したものが
この
「僕はこうして生まれてきた」
です。


出版日は6月9日。

実はこの日はさっこちゃんの命日です。

さっこちゃんは2年前に
29歳で急にこの世から旅立ってしまいました。

さっこちゃんは天真爛漫で
嵐が好きでコナンが大好きで
ディズニーが大好きでした。
常に明るく、前向きで友達や周りの人を元気にする存在だったそうです。
大好きな人との結婚の約束をし、もう少しで一緒になる…そんな頃だったそうです。



スケッチブックの走り書きのお話は
絵も文章も完成しきったものではなかったけれど、
読むと感じられる
「生きることへのメッセージ」
がありました。

これを「さっこちゃんが生きていた証としてきちんとカタチにして残したい!」と
ゆうちんが友人に相談し、
イラストレーターさんを探し、
出版社さんを探し、
一人で駆け回りました。



この本はさっこちゃんの大好きな
従兄弟のお兄ちゃん夫妻に生まれてきた
赤ちゃんをモデルに話が進んでいます。

この赤ちゃんが、
生まれてくる前の世界で赤ちゃんのおじいちゃまと出会い、話をして
この世に生まれてくることを決めます。

ぜひ
本を手にとられた方は
どうして生まれてきたのかという
小さな赤ちゃんの旅を
一緒に味わってみてもらえたらなって思います。

さっこちゃんが
生まれてくる赤ちゃんのことを大切に思い、
パパになる従兄弟のお兄ちゃんのことを大切に思い、
51歳にして亡くなってしまったおじいちゃま(従兄弟のお兄ちゃんの父)のことを大切に思い、
大好きなお母さんのことを大切に思い

自分の周りの大切な人への温かい気持ちが折り重なって
作られているお話なのです。



最初私がゆうちんにこの絵本のお話を伺った時、
「これまでたくさんのイラストレーターさんを見てきました。
 それでも、イラストレーターさんにお願いすると、その方のテイストに全て染まってしまうのです。」
 みつこちゃんはさっこの絵に近いイラストを描いていらっしゃって。
 それでお力を貸していただけたら」
とお声がけいただきました。

もうそのお話を聞いた時に
「私は私の絵を描くのではなく、
 さっこちゃんの想いと、ゆうちんのこうしたいという願いに忠実に絵を仕上げさせてもらえたら」
と心に誓いました。

描くことが決まって
まず最初に神社に行きました。
さっこちゃんに
私が代わりにちょっとだけ
イラスト直させてもらいますねって
お話してきました。

それから
さっこちゃんのよく書く絵のスタイルを
いくつか見させていただきました。
大好きな嵐のイラストなど。
絵にすることがとっても好きだったんだろうなって
絵からさっこちゃんが伝わってきます。


さっこちゃんのテイストを研究しながら
さっこちゃんの原画をトレースして、
イラストを編集を進めていきました。

編集しながら変更していったのは
実際に存在した人物像へ寄せること。
とはいえ、さっこちゃんの絵のスタイルから離れすぎないこと。
だって、これはさっこちゃんの絵本だから。

 ・おじさんはいつも頭にキャップを被っていること。
 ・体はちょっと筋肉質。
 ・顔の形はちょっと四角い感じ。
 ・そういえばよくタオルを首に巻いていて…
 ・眉毛はしっかりめ。
 ・生まれてきた赤ちゃんはおじさんそっくりの眉毛なの。

と。

手に取った方にとって、
そんなの言われなかったら
気にもとめないところだと思います。
でも、こういう一つ一つに
ゆうちんの
「こんなテイストだったらいいな」
が込められているのです。

私も50枚以上あるイラストを
何度も描き直しました。
変更があるたびに約50枚。

「眉毛は太いだけじゃなくてちょっとギザギザな感じ…かな〜」
「わかりましたっ!」

時間を要しましたが、
それを一つ一つ整えていくと、
さっこちゃんのテイストに
ゆうちんの思いが折り重なっていくのです。


ゆうちんは優しいから
みつこちゃん無理しないでって言ってくれてたけど、
すこしでも気になるところとか、
もっとこうだったらいいなっていうことは
何でも言ってください!
と、やり取りをしました。

だって、
せっかく本になって
沢山の人に届くのなら
そこにゆうちんの思いとさっこちゃんの姿が少しでも多くあってほしい
と思ったからです。

こうして
絵の編集が進んでいきました。

そして12月。
絵が完成。
ゆうちんが出版社さんに
出向いて行かれました。

5月。
いよいよ絵本の最終確認。
抜かりなくチェックしているゆうちんからの連絡に
私もドキドキしました。

そして6月9日
めでたく出版。


さっこちゃんが
こんな思いをもっていたことも素敵ですし、
ゆうちんが
本にしたい!という願いと行動がすごいんです。

だから、
出版おめでとう〜
って声をかけていただけて
とても嬉しいですが、
この二人の想いなしには語れない一冊なのです。

6月9日は
さっこちゃんの命日だけど
今年から6月9日は
さっこちゃんの本の誕生日にもなりました。

ぜひ皆さんも
ゆうちんとさっこちゃんのことを少し頭に浮かべながら
読み味わっていただけたらなって
思っています。


絵の編集担当 みつこ



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